当院の調剤業務には、医師の処方せんに基づいて、外来患者さんにお渡しするお薬を調剤する外来調剤と入院している患者さんのお薬を調剤する入院調剤があります。

調剤業務は以下の手順に沿って、過誤のないよう、正確に行われています。

手順１
処方せんに記載された内容について確認を行います。（処方鑑査と言います） 必要に応じて医師に問い合わせをします。（疑義照会と言います）
手順２
錠剤、外用剤などを処方せんに記載されているお薬の剤形、服用量、服用方法などを考慮し正確に取り揃えます。 （計数調剤と言います） 必要に応じて服用しやすいように錠剤を服用時点毎に、機械を使って一包にまとめています。（一包化調剤と言います）
手順３
散剤を処方せんに記載されているお薬の剤形、服用量、服用方法などを考慮し正確に量り取り（計量調剤と言います）、機械で一回分毎に分包します。
手順４
調剤されたお薬が、処方せんの内容通りかを、調剤した薬剤師と違う薬剤師が確認します。（鑑査と言います）

 

注射薬調剤

注射薬は、一般に効果が強く血管内に直接投与されるので使い方には特に注意が必要です。また、急性期に使用されるので、病状に応じて処方内容が細かく変化します。そのため、薬剤師が処方せんを基に入院患者さん一人一人が使用する注射薬を1回分ずつ調剤しています。

注射薬の調剤では、処方されたお薬についての配合禁忌（混ぜてはいけない薬）、投与量、投与速度、投与期間などのチェックを行います。ここで疑わしい点は医師にも確認し、より適切な注射薬が安全に使用されるように努めています。

 

製剤業務

薬物治療において、市販されているお薬では効果が得られない場合、市販されている剤形（薬の形）そのままでは治療に使用できない場合など、薬物治療上のニーズに応じて、個々の患者さんに合わせてお薬（院内製剤）を調製しています。

 

医薬品情報業務（DI業務）

医薬品を適正に安全に使用するためには、投与方法、投与量、副作用、相互作用などの様々な情報を収集し、その情報が適切なものかどうか評価していくことが必要となります。

厚生労働省、製薬企業等から提供された最新医薬品情報をわかりやすい形で院内の医師、薬剤師、看護師などの医療従事者や、患者さまへ情報提供しています。

 

薬剤管理指導業務

入院患者さまの薬歴管理と必要に応じた服薬指導を通して患者さまに安心して薬を服用してもらうとともに、副作用の早期発見や薬物療法の効果について、医師や看護師などの他のスタッフと情報を共有することで安全で有効な薬物療法ができるように努めています。

 

持参薬鑑別業務

入院時に服用されている薬の鑑別を実施し、医師、看護師と情報を共有しています。これにより血中濃度の測定が必要な薬剤や手術前に中止が必要な薬剤の確認や重複投与の回避ができ、より安全で効果的な薬物治療が行なわれます。また持参薬から当院採用薬への変更の提案を行い、必要に応じて患者様への説明を行なっています。

 

病棟薬剤業務

各病棟の担当薬剤師が朝の申し送りや医師の回診の同行を通して患者様の状況を把握し、より適切な薬物療法が行なわれるようにしています。また電子カルテへの処方入力の代行や各病棟での定期薬、臨時薬の配薬に薬剤師がかかわることで薬に関する間違えが起きないように気をつけています。